
昨日(9月4日)軽自動車勉強会というのがあって、それに行ってきました。ボクも加盟しているんですが、日本自動車ジャーナリスト協会という団体がありまして、そこが主催した勉強会です。最近軽自動車がものすごい勢いで売れているのを受けて、各軽自動車メーカーの協力をいただいて、軽自動車の主要モデルを一堂に集めて試乗、その後メーカーのエンジニアの方と懇親会を行なったんです。
日ごろ試乗会をサボってばかりいるボクとしては、この機に軽自動車も乗っておこうというわけで、いそいそとと出かけていったのでした。
おしなべていうと、乗り心地もずいぶんよくなっているし、街中もすいすい走れちゃう、かなりマトモなクルマが多かったと感じました。
その一方で、ほんとにこれ操縦安定性のテストしているの? というようなクルマもいくつかあって、いろいろと考えるところがありました。
ところで、軽自動車が売れている理由というのは単純で、ランニングコストがべらぼうに安いからなんです。特に税金がものすごく安い。
自動車には毎年自動車重量税というのと自動車税というのがかかっています。乗用車の場合は、重量税は0・5トンごとに6300円/年かかります。つまり1495kgのクルマは18900円かかるわけです。
また、自動車税は
1000ccまでが29500円
1001ccから1500ccが34500円
1501ccから2000ccが39500円
2001ccから2500ccが45000円
2501ccから3000ccが51000円
3001ccから3500ccが58000円
・・・・と500ccごとに税金が上がっていって、6001cc以上が11万1000円となっています。
ところが軽自動車は、重量税が4400円の定額。
自動車税も7200円なんですね。
しかも地方によってはまだ車庫証明が必要ないところもあるんです。
だから、軽自動車が売れているんです。まあ、うちの実家もそうなんですが、地方に行くとバスもなければ電車もないというところが結構ありますから、クルマがないと生活できない。一家に一台じゃなく1人一台って感じでクルマが必要なわけです。
2台目3台目のクルマを買おうとしたとき、乗用車だと維持費がたいへんで、とても持っていられないのですが、軽自動車だとわりと簡単に維持できる。だから軽自動車というのは、地方ではかなり重要な乗り物だったりします。
ただ、そんな具合に健全に本来あるべき形で軽自動車が作られ、売られていればいいのですが、それを逆手にとって(?)といったら御幣があるかもしれませんが、軽自動車の価格はどんどん高くなっています。170万円の軽自動車っていったいどうよ? って思いませんか?
トヨタ・パッソの1000ccの一番安いやつなら94万5000円買えちゃうんですから。
安いクルマもあるんですが、結構確信犯的に安かろう悪かろうってクルマがみられます。
軽自動車は法律で排気量と全長と全幅が決められているので、最近の軽自動車はより広い室内空間を求めて背が高くなっています。乗るとこれが実によくできていて、結構快適なんですが、操縦性の面ではやはり不利になります。ちょっと前に軽自動車の高速道路の最高速度が80キロから100キロになって普通乗用車と同じになったこともあって、とくに高速操縦安定性のテストはしっかりやってもらいたいものだと思わずにはいられません。
安全性についても、衝突安全1つ取ってみても、重いクルマと軽いクルマがぶつかったら、明らかに軽いクルマは弾き飛ばされてしまいます。単独衝突の安全性はそれなりにしっかり作られているとと思いますが(そう信じたい)、いろんなクルマが走る一般道で物理的に不利なのは否めません。
で、前から考えていたことなんですが、今の軽自動車というくくりをなくして、1000ccの下にもう1つ安い税制枠を作ってしまうというのはどうでしょう?
クルマのサイズも今より大きくして。そうすれば、操縦性の面ではグッと性能アップが見込めるし、それでいてメーカーは無闇に値段の高いクルマを作りにくくなる。安かろう悪かろうといったクルマも作りにくくなるのではないかと思うんです。
ただ、そういう枠を作った時点で、税金は跳ね上がるに違いありません。今でもこれだけ売れている軽自動車からどうやって税金を取ろうかと考えている(フシがある)国土交通省ですから、そんなことをしたら、待ってました! とばかりに税金が高くなって、ユーザーメリットがなくなってしまうに違いありません。
正義の味方を気取るわけではありませんが、大義名分や正論だけでは弱者(優遇を本当に必要としている人)が犠牲になってしまいます。そこが難しいところなんですよね。
過疎地では電車が廃線になり、バス路線が間引きされたり廃止になったりと、都市部では考えられないくらい不自由な生活を強いられているところもあるわけです。
本来、お役人さんは公僕であって、社会、国民のために奉仕するのが仕事なはずなのですが、こと税金になると、取り易いところから取るというのが当たり前のようになっていて、どうしても弱者が不利益をこうむってしまいます。
その税金もきちんと国民の利益のために使ってもらえるのなら、ある程度納得もできるのですが、ざるで水をすくううような無駄遣いをした挙句に税収アップだなどとふざけたことを言われると、目の前が真っ暗になってきます。
今回の軽自動車勉強会は、本来の趣旨は最近の軽自動車の性能はよくなったよね、というのを確認しましょうと言う意図があったらしいのですが、ボク個人としては、上に書いたようなことを考えさせられるいい勉強になりました。

ところで、勉強会の立て看板の後ろになぜビールの提灯が? とお思いの方。けっしてビールを飲みながらクルマを試乗するなんてことはしてませんので念のため。自動車メーカーの間でも先日の飲酒事故は大きな問題になっていているそうです。聞くところによると、ほとんどのメーカーが飲酒事故=懲戒免職なのだそうです。
まあ自動車を作っている側の人が禁じられている飲酒運転をしては洒落にならないので、それは当然だと思いますけどね。
ちなみにボクは、この会に出席するので、ハコネの撮影に行くことが出来ず、取材終了後わざわざクルマを会場まで持ってきてもらっうことになっていました。そんなわけで、会終了後にクルマの試乗予定があったのでお酒は飲みませんでした。
もともと酒はほとんど飲めないし、飲まずに騒げる体質なので、あまり気にもならないのですが・・・。


